カーオーディオとしての iPod

「これがあればMDデッキもCDチェンジャーが要らないでは?」とiPod 20GBを購入し、愛車BMW520 (E34)のナカミチ6連装CDデッキのAUX端子に接続していました。左の写真のステレオミニプラグ(黄矢印)をiPod上面のヘッドホン端子に挿して、デッキのソース(音源)をAUXにすれば聴くことができます。これはヘッドホンの代わりにクルマのアンプとスピーカーで聴いている状態です。

iPodはパソコンの周辺機器です。単体では使えないので注意が必要です。WindowsかMacOSの動作するパソコンに(iPod付属の)iTuneというアプリケーションプログラムをインストールし、音楽CDなどを読み込んで、自分のお気に入りの音楽ライブラリを作っていくのです。そして、それを丸ごとそのままiPodに転送するわけです。iPodとパソコンは通常USB接続しますから、パソコンにはUSBポートが必要です。取り込むときの音質は原則として「Appleロスレス」にしています。CDクォリティの「WAVE形式」には劣るかもしれませんが、MP3よりは遥かに音がいい。収納できる曲数よりも音質を重視しています。

曲の選択などの操作はiPodで行うのですが、手に持って置いたときのコトンというショックで一時停止になってしまうのが煩わしくて、ほとんど「曲をシャッフル」(全曲ランダム再生)を選んでいました。

ADDZEST、PIONEER、KENWOODなどからカーナビやオーディオデッキにiPodを接続するインターフェイスが発売されました。それはiPod底面のコネクタに接続し、操作はデッキ側で行い、同時にiPodの充電もされるというものでした。

「なんだか面白そう」というわけで、KENWOOD K-CD01(CDデッキ)とKCA-iP500(iPodインターフェイス)の取り付けをカーコンポ屋さんにお願いしました。それが左の写真です。真っ黒なダッシュボードのBMWにはナカミチのほうが合っていたのですが、KENWOODの中ではいちばん落ち着いたデザインのモデルを選びました。ボリュームが2個の押しボタンよりも、このモデルのように丸いツマミのほうが扱いやすくてうれしい。しかも右ハンドルの場合、ツマミが近いので便利。

接続されたiPodの液晶画面には「KENWOOD」と表示されているではありませんか。なんだか不思議な感じ。「接続解除できます」と表示されていますが、iPod側では一切の操作ができません。ほんとうに接続ケーブルを抜くしかありません。抜けばiPodに制御が戻ります。

「デッキ側からどうやって選曲すればいいの?」と、iPodインターフェイスの薄っぺらい説明書と首っ引き。どうやらデッキからみるとiPodは単なるCDチェンジャー扱い。逆にいうと、デッキやカーナビから見て、iPodをCDチェンジャーのように見せかけているのがiPodインターフェイスなのです。デッキがiPodを意識して設計されているわけではないということがわかったのはこのあとのことです。

カーコンポ屋さんで夜中にふたりでクルマに乗り込んで、ああでもない、こうでもない、なぜ、どういうこと?(苦笑) このデッキは英数字しか表示できないから日本語のタイトルやアーティスト名は文字化け(????表示)してしまうし、ブラウズ(選曲)操作も非常にわかりづらく、操作性も悪い(ボタンを押したときタイムラグがある)。

SCANボタンを押すと、PLY(プレイリスト)、ART(アーティスト)、ALB(アルバム)、GEN(ジャンル)という第1レベルのブラウズ項目を切り替えることができます。次に、たとえばARTの状態で +/- ボタンを押すことで第2レベルのブラウズ項目(この場合、アーティストの変更)を切り替えることができます。わたしのiPodの場合、最初のアーティストは10ccで、次がA-ha、Beatlesと続いています。最後に←/→ボタンを押すことで第3レベルのブラウズ項目(この場合、同一アーティストの次の曲)に切り替えることができます。Beatlesのアルバムから2番目の曲が再生されます。

それじゃ、ケツメイシの「さくら」はどうすれば聴けるの?(文字化けしてしまう)

  1. iTuneのデータを全部削除して「さくら」だけにする。
  2. CDで聴く。
  3. iPod単体で操作して「さくら」を再生状態で接続する(と、上の写真のようにRESUMINGとして再生できる)。

制約はあるものの、iPodを充電する必要がなくなったのは有難い。毎日クルマから持って下りて、自宅でACアダプターにつないで充電しなくてもよくなりました。

深夜の国道153号線を名古屋に向かって流しながらGEN: Popを聴いていて、すべての「曲をシャッフル」する意外性とはまたちがった心地よさがありました。音楽CDを1枚ずつ聴いていると収録曲に制約されるし、MDは作るのが面倒。iPodならば「プレイリスト」を作ることで好きな曲を好きな順に再生することができます。音楽の集合体をいろんな切り口から楽しむことができるのがメリット。

一方、iPodの接続方法が変わったせいか、デッキが変わったせいか音も良くなりました。WAVE形式で取り込んだEric ClaptonやBaby Faceを聴いていると「サブウーハーが欲しい」。このクルマに乗ってそんな欲が出たのは初めてです。以前サブウーハーをつけたことのあるALFA ROMEO 164はオーディオ的にも良くできたクルマでしたが、BMW520はいまひとつという印象がありました。 iPodの操作性には疑問がありますが、全体としては満足です。操作がマニアックというのも良いかもしれません。工夫で補えばよいでしょう。

iPodインターフェイスのケーブルは長く、iPodをグローブボックスに入れておけばよいということのようです。たしかに、そうすればCDチェンジャーというか「携帯ミュージックサーバー」になります。そう考えれば、ちょっと高価なiPodの価格も納得できるかもしれません。一度だけ出張に持ち出して、帰りの高速バスの中では本来の形で役に立ってくれました。お気に入りの音楽を大量に持ち出せるというのはうれしい。第2レベルの選択も、- ボタンでリストの最後に回ることもできるので 10cc の次に小田和正を選ぶことができます。そのまま押し続ければ、そのうちケツメイシにたどり着くでしょう。(笑)

2005/07/30