家族ゲーム

テレビゲームを家族で楽しむ場合、2つのパターンがあります。4人同時プレイか、1人プレイでも全員でワイワイ言いながら遊ぶか。

親はロールプレイングゲーム(RPG)やアドベンチャーゲームが好き。物語の中の分身を操って、謎を解き、目的を達成していくゲーム。反射神経よりは思考力、想像力を要するゲームのほうが得意。

一方、小学生の息子たちは格闘ゲームが大好き。母親が「痛そう」と眉をしかめても、彼らにとっては「技を決める」「相手を倒す」ことが重要で、それが実際に痛いかどうかなど頓着していない。任天堂の「スマッシュ・ブラザーズ」は4人同時プレイ可能な格闘ゲーム。ある程度ダメージを受けると最後は場外に飛ばされてしまいます。たしかに「暴力ゲーム」なのですが、相手を「ぶっ飛ばす」快感が魅力です。

4人同時プレイはアクションゲームに多く、わたしの反射神経ではついていけないことがあります。1人プレイでも、任天堂ゲームキューブ(GC)用「ゼルダの伝説〜風のタクト」は家族みんなで楽しむことができました。

「風のタクト」は海に点在する島を巡る冒険。怪鳥にさらわれた妹を救うために旅に出て、夢中で魔物と戦ううちに物語が進んでいきます。ゲームをクリアするには直接関係のないサブプロット、おまけプロットも豊富で「箱庭ゲーム」を感じさせません。移動とは別に視点を動かすことができるのもうれしい。自由度の高いゲームです。

「ゼルダの伝説」では、父親が「闘う」係で、母親が「宝探し」係。母親が貯めたお金を父親が使う。(笑) 子供たちは見ているだけでなく、謎解きに参加します。迷路では「あっちだ」「こっちだよ」と大騒ぎ。結果、次男の方向感覚が鋭いことがわかり、ずいぶん助けられました。一方、手ごわい敵は長男に任せるといった家庭内分業体制が成り立っています。

「風のタクト」もすんなりとクリアしたわけではなく、途中何度も行き詰まりました。しかし、攻略本は買いません。先に全部わかってしまってはつまらないですし、ソフトだけでなく本まで買わされるのはシャクです。(笑) どうしても進めなくなったときはインターネットの攻略サイトで必要な部分だけ調べます。

1本クリアすると新しいソフトが欲しくなります。そこに「ファイナル・ファンタジー クリスタル・クロニクル」(GC用)が発売されました。4人同時プレイ可能だというところに惹かれて買いましたが、そのためには「ゲームボーイ・アドバンス」が4台必要だとか。我が家には2台しかありませんが、とにかくやってみましょう。

このゲームは8人までのキャラバン(チーム)で移動します。最初に4つの種族から選んでキャラクタ(分身)を作成します。家族全員でキャラクタを1人ずつ作成するとキャラバンには4人参加することになりますが、そのうちに1人だけでプレイ(シングルモード)しても構いませんし、2人でプレイ(マルチモード)することもできます。他のキャラクタは馬車のなかで休んでいます。実際にプレイしなければ何も得るものはありませんが、控えの選手のようにいつでも参加できる状態です。

子供たちといっしょに遊ぶために、わたしも「ゲームボーイ・アドバンスSP」を買いました。(高価なコントローラです)

3人同時プレイのリアルタイムRPGは新鮮でした。移動も戦闘も(画面の範囲内で)各自が同時に、自由に対応できます。魔物が出るエリアでは、一定の範囲内にいないとダメージを受けます。「こっち行こう」「あ、だめだよ、勝手に進んじゃ!」「あいつをやっつけて」「死んじゃう〜」「ケアルするぞ」と大騒ぎ。これはおもしろい!

たとえば、戦闘中にアイテムを使いたい場合、テレビ画面ではなく、自分のゲームボーイ画面を使います。「ゲームボーイ」は独立したゲーム機なので、特定のキャラクタの処理はそこで行い、ゲーム全体の進行を止めないようにしてあるわけです。いわば分散処理。リアルタイムなネットゲームの感覚に近いかもしれません。ただ、忙しいゲームなので、母親の好みではありませんでした。

「クリスタル・クロニクル」は、ダンジョン(魔物の巣窟)でボスを倒し、ミルラという木の雫を3回集めるたびに1年が経過し、再び故郷の村から旅立つという繰り返しです。グラフィックが美しく、ボス戦は派手ですが「風のタクト」のような奥行きはありません。「まずゲームシステムありき」で、それにストーリーを合わせたように感じる部分もあります。

パターンが見えた時点で、わたしは興醒めしてしまったのですが、子供たちは夢中です。実際に声を掛け合いながら敵に立ち向かうというのが新鮮なのでしょう。魔法を重ね合わせると強力になったり、新しい効果が生まれたりするのですが「せーの」でタイミングを合わせる必要があります。協力することが重要なのですが、魔物を倒したあとにでてくるアイテムを誰が取るか、どちらに進むか、どちらの攻撃力が強いかなどで兄弟ゲンカが絶えません。仲間が強くなれば、それが自分のためにもなるという理屈は通用しません。(苦笑)

ここでは子供たちが「戦う」係で、わたしは「救護」係。うしろから魔法でダメージを回復させたり、復活させます。店で買い物したり、装備を強化するときは、シングルモードのほうが自由に移動できて好都合かもしれませんが、それ以外は絶対マルチモードのほうが楽しいです。「ぼくの宝を取った!」とケンカしていても、いざとなったら力を合わせて戦うしかありません。強敵に出会って全滅すると悔しいけれど、ボスを倒すことができればうれしい。そんな気持ちを共有できるのが楽しい。

わたしにとってテレビゲームは、ひとり遊びの道具ではなく、家族とのコミュニケーションツールなのです。

2003/08/31