スロット・ミニF製作ガイド−1
タミヤから発売されていた 1/28 ミニF1シリーズをスロットカーに改造する手順をご紹介します。本来のミニFとして組み立てて走らせて遊んでいたものでも改造することができます。

ミニFですから小学生でも組めます。ちょっと面倒なのがリアタイヤを貼って削るところ。それさえできればあとは簡単です。ボディは塗装してもしなくても自由です。ここでご紹介するのはわたしのやり方であって「絶対こうでなくちゃいけない」というものではありません。これを参考にして、みなさんで工夫してください。

これがキットの中身です。車種によってボディ形状とシールが異なりますが、他は共通ではないでしょうか。ミニ四駆よりもギア構造がシンプルなので部品点数も少ないようです。
スロット・ミニFで使用するパーツだけ取り出しました。10:38のハイスピードギアを使います。

わたしはボディだけ塗装します。シャーシやホイールを塗装したい方は先に塗っておきましょう。

別途必要になるパーツを集めてみました。写真左上から右に向かって、
  • ミニ四駆 メタル軸受けセット (100円)
  • ミニ四駆 ボールベアリング4個セット (600円)
  • ミニ四駆 60mm 強化シャフトセット (150円)
  • ラビットモーター (450円)
    左下から右に向かって、
  • リアタイヤ(21x17mm)セット (400円)
  • ガイド (100円)
  • ミニF用ガイド受け具 (250円)
  • ブラシ2本 (10本500円)
    モーターはさかつうのF100でも同じです。他に、ボディ前部が浮かないようにするためにマジックテープ(粘着剤付)を使います。ベアリングとシャフトは必須ではありませんし、ラジ四駆用の六角穴のベアリングのほうが適しているという話もあります。
  • ラビットモーターに10Tのピニオンギアをはめてシャーシに取り付けます。

    小さなお子さん用にはラビットをデチューンしてあるF200モーターのほうがいいと思います。慣れてからラビットに替えてあげればよいでしょう。

    フロントのシャフトを通す部分に、わたしはメタル軸受けを使っています。標準の「プラスチックパーツ+はとめ」ではあんまりだし、かといってボールベアリングはちょっと高いし、というわけでメタルです。

    ラジペンなどで押さえて、きっちりと奥まではめましょう。浮いていたら抵抗が生じます。

    モーターのリード線を通して、フロントの足回りを組みます。タイヤをゴムのライナーから切り離すときは、ライナーを引っ張りながら根元をニッパーで切ると、きれいに切り取ることができます。フロントタイヤはホイールにはめておきましょう。

    リード線を通すときは、フロントシャフトに干渉しないことと、ボディを被せるときに邪魔にならないようにするよう注意しましょう。

    リアホイールとリアタイヤの内側の両方にG17ボンドを塗ります。タイヤの内側は指では塗りにくいので、つまようじを使うとよいでしょう。タイヤは光沢のある面が外側です。まちがえないように注意してください。

    ホイールの接着面は塗装しないでください。あとでシンナーを塗ったときに溶けてしまいます。

    数分してボンドがべたべたしなくなったら、ボンド表面にシンナーを薄く塗ってからタイヤにホイールを一気に押し込みます。きちんと奥まで引っ張って、タイヤを指で押さえながら形を整えます。
    シンナーのフタを開け、指で口を押さえてビンを振ると指にシンナーがつくので、それをホイールとタイヤに塗っています。上品な方は筆で塗るとよいでしょう。
    接着するまで最低30分、できればひと晩おきましょう。この方法は本当のスロットカーでも(ホイールがアルミに変わるだけで)同様です。
    貼っただけのタイヤは中央部分に比べてエッジが盛り上がっています。削るのはタイヤサイズを整えるだけでなく、これを水平にする目的もあります。すべては最高のグリップを得るためです。世田谷や春日井では水平に削っておしまいですが、コースによってはエッジを丸めるようです。
    タイヤを削るためにシャフトを挿します。リアタイヤには先に紹介した「60mm強化シャフト」を、フロントタイヤにはキット付属のシャフト(前後用)を挿し、削り終わったら片方のシャフトを抜いてシャーシに取り付けます。ホイールの穴が緩くなると、走行中に空転したりタイヤが外れるのでシャフトの抜き差しは最低限にとどめます。

    【追記】 シャフトを挿さずにホイールの根元を直接チャックではさんでしまう方法を教えてもらいました。たしかに、そのほうがしっかり留まるので削りやすいです。ただ、強く締めすぎるとホイールが破損するので注意してください。

    タイヤを削るやすりは、裏面がマジックテープになった「スーパータックロール」の80番を使います。HOT STAGEで切り売りしているのですが、欲しいときに手元にないと困るので、わたしは1巻5000円で買ってきました。
    75mm幅の板に、黒いマジックテープのオス(固い方)を貼り付けて台座を作り、そこにタックロールを貼り付けています。裏面も同様になっていて240番が貼ってあります。
    80番は長持ちしますが、それでも消耗します。鉄やすりを使えば減ることがないので、適当なものを探してもいいでしょう。
    小型木工旋盤でタイヤを削ります。フロントタイヤもセンターに筋があるので240番で軽く削ります。
    やすりを当てるときは、タイヤが空転するほど強く当てないように注意しましょう。
    タイヤ中央だけでなく接地面全体にかけると、光沢が消えて、実際に使用されたスリックタイヤみたいでかっこよくなります。80番をかけるとズタズタになるのでやめましょう。
    ゴムの削りかすが飛んでくるので、わたしは防塵ゴーグルをかけて作業しています。
    続いてリアタイヤを削ります。そのままでは外径が約30mmあるので27mmまで80番のペーパーで削ります。このとき強化シャフトを使うのは、標準のシャフトは柔らかくて、タイヤをペーパーで押さえると曲がるからです。曲がるとタイヤがぶれて削れません。タイヤを3mmも削るのは結構たいへんなので、お店ではナイフで近い寸法にカットし、仕上げにペーパーがけすることもできます。ペーパーを一箇所で止めたまま削るとタイヤに溝ができます。軽く動かしながら削りましょう。
    ちょっと油断すると削りすぎるので慎重にノギスで測りながら削りましょう。接地面は水平に、そして左右のサイズは揃えること。疲れたら28mmでやめてもいいですが、一旦タイヤクリーナーをつけるとタイヤは削れなくなります。タイヤづくりは重要ですから丁寧にやりましょう。アルミ製ホイールならば失敗しても貼り直せばいいのですが、ミニF用リアホイールはプラスチック製ですから、まず貼り直しはできません。
    リアタイヤが27mmまで削れたところ。
    フロントタイヤを取り付けます。メタル軸受け部分にグリスを塗ります。
    リアにベアリングを入れます。奥までしっかりと押し込みます。ベアリングにグリスは塗りません。(念のため)
    リアホイールにスパーギアをはめてからシャーシに取り付けます。シャフトは奥までしっかりと差し込んで、ギアとちゃんと噛みあって、タイヤが軽く回ることを確かめてください。
    タイヤが四輪付いてクルマらしくなりました。

    モーターを押さえる部品はシャーシ裏側からネジ止めできるようになっています。ここは留めておかないとクラッシュしたときに外れることがあります。

    ガイド受け具を取り付けるためにシャーシ先端を1cmほどカットします。
    ミニF用ガイド受け具をねじで取り付けます。
    ついでに、GUPの1gのウエイトをネジ止めします。フロントにおもりを載せたくてもスペースがないのです。1gくらいでは気休めですから載せなくても構いません。
    走行中の振動でネジが緩んで外れるのを防ぐために、ネジ止め剤を塗っておきます。

    フロント部分を強く打つと、はめてある部分が外れることがありますが、接着してしまうとアームが折れる可能性もあります。

    ガイド受け具にガイドを取り付けます。
    ブラシの根元をラジペンで先端を1mmほど残してつぶします。先端の厚みがガイドに差し込んでときの抵抗になります。ぺったんこにつぶすと、ガイドから抜け落ちてしまいます。
    ガイドにリード線を挿します。進行方向右がプラス(赤)、左がマイナス(黒)なのは、通常のスロットカーとおなじです。接続をまちがえるとバックするので注意してください。
    ガイドにブラシを差します。固すぎて入らなければ、ラジペンで再度ブラシの根元を押さえてください。
    そのままではブラシが長すぎてショートする恐れがあるので、ガイドから飛び出さない長さにハサミで切りそろえます。そして、ちいさなワイヤーブラシで先端を軽くほぐして接触をよくしておきます。ブラシは写真のようになっている状態が理想です。八の字に広げるとコースの給電ブラシに当たらなくなることがあります。
    車検板に乗せて目線の高さにもっていって四輪とも接地していることを確かめます。ガイドが低すぎるとフロントタイヤが持ち上がって走行抵抗が増えるので直しましょう。
    リアからみて、タイヤはちゃんと接地しているでしょうか。水平に削れていないと隙間が見えます。手でタイヤをすこしずつ回しながらチェックしてください。
    フロントからみると、フロントタイヤは中央部分で接地していることがわかります。ですから、中央部分の出っ張りを削ってスムーズに転がるようにしたのです。(あまり変わらない?)
    使い古しの単3電池を2本載せてセロテープでとめればシャーシ完成!

    テストコースで動くことをチェック。

    ボディを塗装するときは、500ccのペットボトルに半分くらい水を入れたものを台にします。両面テープでボディを仮止めしておけば、手にもってスプレーすることも、下に置いて吹くことも、そのまま立てて乾かすこともできるので便利です。
    リアウィングは角材の先にクリップをつけたものではさんでスプレーします。
    塗装指示に従って、色を塗ります。
    シールを貼ったあとで全体にトップ・コート(クリア)をスプレーするなら、筆塗りは後回しです。
    付属のシールを貼ります。このF1は鈴木亜久里が乗ったようですが、今回は次男にもらった「ゴッド・ガンダム」(GF13-017NJII)に乗ってもらいます。神業の運転が見れるでしょうか?(笑)
    ボディ前部が固定されないので、マジックテープをつけます。ボディ側には1cm厚のウレタンゴム片をG17ボンドで接着して高さを揃えます。
    シャーシとボディにマジックテープを貼ります。

    フロントから床に落ちるとウィングが折れることがあります。部品の紛失を防ぐにはウィングの裏側にあらかじめタミヤの断熱補強テープを貼っておくとよいでしょう。万一、折れてしまったウィングもプラリペアで修理することはできます。

    ガンダムヘッドをセメダインのスーパーXで接着して完成です。

    ボディ回りの接着には普段クリアボンドを使っています。プラモデル用接着剤ではだめです。衝撃ですぐに取れてしまいます。粘りのあるボンドが最適です。ただし、クリアボンドはタイヤクリーナーがつくと外れてしまうので注意してください。

    SDガンダムはコロコロしていて可愛いけれど、ヘッドだけ載せると不気味です。本当はボディの高い位置に重いものを載せるのは重心が高くなるのでよくないのですが、ミニFレースのためですから、子供たちのウケを狙ってみました。

    完成したマシンのリアタイヤは浮かした状態で保管してください。リアタイヤを接地した状態で放置するとフラットスポットができてタイヤが使えなくなる恐れがあります。わたしは1cm厚のウレタンゴムを5cm角に切ったものの上に置いたり、横向きに立てて置くようにしています。

    クルマを何度か走らせているうちに、リアタイヤに白くホコリが付着してスリップしやすくなります。だれも走らせていないコースはホコリが溜まっていて、一度でタイヤが真っ白になることがありますし、床に落としたときも同様です。そのままではコーナーでテールを振るし、ダッシュが効かなくなるので「タイヤクリーナー」(500円)でホコリを取り除いてください。使い方はお店で教えてもらってください。HOT STAGEではクリーナーをつけたタイヤを専用台の上で回しながら、タイヤをほんのすこし台に接触させます。

    スロットレーシングをミニFで始めた方は、すこし馴れてからスロットカー用リアホイールを使う方法を試してみてください。タイヤによって走りがどう変わるかがわかると思います。

    August 2002