ライト点灯ユニット3(実装編)
ライト点灯ユニット3」では7805(78L005)という3端子レギュレータを使用していましたが、出力電圧精度が高く、消費電流が小さいS-81350HGに替えてみることにしました。その関係で、前回ご紹介した回路図よりも抵抗が1個増えているので末尾の回路図をしっかり見て部品をご用意ください。

手持ちのFORD GT40に実装することにしたのですが、重くなるとまともに走らなくなってスロットカーらしくなくなってしまいます。「できるだけ小型軽量化したい」と相談したところ、設計主任のおぐらさんいわく「チップ抵抗を使う手がありますよ」「あとは基板を起こせば小さくできるでしょう」。基板を起こす(作る)のは面倒なので、いつものユニバーサル(蛇の目)基板を使います。

部品が揃ったら、まずブレッドボードで仮組みして動作確認しましょう。LEDの明るさなどは部品によって異なるので抵抗値を調整したほうがいいことがあります。

LEDは直径3mmのものを使います。リア用には高輝度赤色LEDを使ったほうが明るいですが、部品そのものは無色透明なので、フロント用の白色LEDとまちがえないように注意しましょう。

そして、チップ抵抗を求めて大須(名古屋の電気街)の第2アメ横に出かけました。

「冗談でしょ? これを半田付けするの?」(呆然)

左手の人差し指の先端に乗っている「四角い破片」がチップ抵抗です。1x2mmほどのchipです。こんなの机の下に落としたら見つかりません。もうすこし大きいタイプもあるそうですが、大須では選択の余地がありませんでした。写真のようにテープ状にパッケージされて10個単位で売られていました。
また回路図どおりの抵抗値がないので近い値のものを買いました。チップコンデンサも見つけたので0.1μのセラミックコンデンサをチップ化しましょう。

これは余談ですが、次男が分解した古いファクスのメイン基板です。いままであまり気にしたことがありませんでしたが、こういうところにチップ部品が使われていますね。黒い表面に273とあるのが27kΩのチップ抵抗、表面が茶色いのがチップコンデンサです。(ファクスから出てきたステッピングモーターを分解して「どうしてこれが回るの?」と親子で悩んでます)
さて、スロットカーに戻って、ユニバーサル基板に「大きな部品」を並べていきます。基板の左のほうにある47 35Vと書いてある丸い部品はチップ電解コンデンサです。黒く塗ってあるほうがマイナス。極性をまちがえると壊れるので要注意。樹脂の台座(スペーサー)を外してリード端子をまっすぐ伸ばせば基板にぴったり合います。
お見せするのが恥ずかしいけれど基板の裏です。わたしは20Wのコテと0.6φの細い半田を使っています。この隙間にチップ抵抗を置いて半田ごてを当てていくのです。コツは「基板のハンダ付け面に薄く予備ハンダしておき、その上にチップ抵抗を乗せたらピンセットで押さえて、チップの端子にコテ先を当てると楽に固定できる」そうです。
なんとか基板が完成して4本のLEDを仮接続して通電テスト。安定化電源の電圧を0Vから徐々に上げていくとちゃんと点灯しました。が、OFFにしてもテールランプLEDが明るくならない。(ショック!)

こういうときは慌てずに誤配線と短絡(ショート)のチェック。電気はウソをつきません。配線には問題なさそうなのでテスターで各部の電圧を調べてみます。81350のOUT-GND間は電源電圧が変化しても4.95Vで安定していますから電源は問題なし。

SC1には4.7Vかかっていて、ヘッドライトLEDが3VとR2が1.7Vで(3+1.7=4.7)ちゃんと分圧されています。R3経由でテールLEDが暗点灯するのはよいのですが、どうも電源OFFでトランジスタのスイッチが入らないようです。電源がOFFになるとR3だけでなくR4からも電流が流れてテールLEDが明点灯するはずなのです。コテの熱でQ1を壊してしまったかと思ったのですが、それよりはわたしがなにか間違えている可能性のほうが高い。

夜も更けたため、おぐらさんに状況をメールしておしまい。翌日「81350を使う場合、レギュレータのGND-OUT間のインピーダンスが高いためブレーキ検出が鈍くなります。GND-OUT間に5〜10kΩ程度の抵抗を入れるとよいでしょう」とのお返事。そういえば、そういう話もあったかも。(失礼しました〜)

完成した基板です。最初は戸惑いましたが、チップ部品も1x2mmのサイズまでならなんとかなります。今回ですこし馴れました。
とはいえ、チップ部品の半田づけはむずかしいので、虫眼鏡と固定用アームのついた「ヘルパー」というのを買ってみました。基板をはさんでおけるだけでも助かります。大須で1,440円でした。

さて、つぎにスロットカーへの組み込みです。ポイントは低重心化とメンテナンス性の確保です。

部品の総重量はおなじでも、できるだけ低い位置に置きたい、というか、ボディを重くしたくないのです。ほんとうはボディのリア部分にテール用LEDも含めて基板に実装してしまうのが楽なのですが、重心が高いとそれだけコーナーリングがつらくなります。しかし、すでにドライバー人形が乗っていることもあって、組み込めるスペースは人形とモーターの間くらいしかありません。(あるいは助手席スペースか)

モーター前方にアルミのステイで基板を立ててみました。Tバーの付け根のビスで一緒に留めてあります。リアタイヤ付近はホコリと油が飛んで汚れますから、回路の保護と、万一基板が外れたときにシャーシに触れてショートしないように熱収縮チューブで包むことにしました。
熱収縮チューブには太さと色がいろいろあります。実際に基板を持参してサイズを選ぶのが無難です。適当な長さに切って、基板に被せます。ふつうは黒いのを使うようですが、中が見えるように透明なチューブを使ってみます。
ドライヤーで熱風を当てるとチューブが縮んでこのとおり。こうすれば基板を両面テープで留めることもできます。
アルミのステイ(元は放熱板でした)をビスとナイロンナットで取り付けて
シャーシに留めます。
できれば基板を立てずに、もっと寝かせたいのですが、ボディを被せたときにドライバー人形の背中に当たるので限界です。
ヘッドライトとテールライトのLEDに配線します。配線をもっとすっきりさせたかったのですが今回は時間がなくてあきらめました。
前後ともLEDがボディからすこし飛び出すので、それを逃がすためにライトカバー部品の内側をリュータで削ります。
点灯テスト。
テールは電源OFFでストップランプが点灯します。これで組み込みは完了です。

「あーすればよかった」「こうしたほうがよかった」というのがいろいろ出てきていますが、それは次回以降に持ち越します。

■ 製作上の注意

製作する場合,半田づけはしっかりしましょう.

スロットカーは走行中かなり振動しますし,コースアウト時の衝撃も大きいです.回路がショートすると電解コンデンサから煙や火が出る恐れもあります.半田ごては基板用が15Wか20W、配線用は30Wでよいでしょう。コテ台があると便利ですし、やけども防いでくれます。半導体は熱を加えすぎないように注意して、81350はCMOSなので静電気に注意。(なんだかチューイばかりですね) また、電源を入れるまえにテスターでショートしている個所がないかどうかチェックしましょう。配線が正しければ動作します。

電気工作が苦手な方は、スロットレーシングコースのあるお店に相談してみましょう。似たようなライトユニットの完成品が市販されていますし、有志が基板を起こして部品も分けてくれるかもしれませんし、頼めば作ってくれるかもしれません。(一部実話)

■ 部品について

R1,R2,R3,R4,R5,C2,C3以外の部品はすべて極性があります。電解コンデンサC1とスーパーキャパシタ SC1はマイナスが書いて(マークして)あります。ダイオードD1,D2は白い帯が巻いてあるのがカソード(K)マークでマイナス、LEDは足の長いほうがアノード(A)でプラス、反対側がカソード(K)でマイナス。 プラスとマイナスやピン配置をまちがえると動作しませんし、部品が壊れる恐れもあります。

▽ピン配置図

3端子レギュレータ U1
トランジスタ Q1

このページで使用した以下の部品は秋葉原の秋月電子通商 Web通販で購入(代引)することができます。早ければ注文した翌日に届きます。

3端子レギュレータ(CMOSタイプ)S-81350 1個 100円(10個 700円)
整流用ショットキーダイオード1S41個 30 円 (10個 250円)
ブレッドボードEIC-3011個 300 円

■ 回路図

★お願い★
この回路図の知的著作権は'RUU' Oguraさんにありますので,営利目的で使用しないでください.また、部品等を頒布する際には、説明書に「circuit designed by RUU」と記載してください.個人的には改造,改良等も自由ですので,どんどん活用してください.

May 2002