スロットレーシング導入ガイド

これからスロットレーシングをはじめる方の手引きになればと思い、まとめてみました。

スロットレーシングとは

モーターを載せた自動車の模型を、コース中央の溝に沿って走らせる遊びです。コースから電源(DC10〜12V)を取るのは鉄道模型から来ているからだとか。日本では1960年代にブームになったそうです。

ハンドル操作はありませんが、手元のコントローラでスピード調整ができますし、ブレーキをかけることもできます。仕組みは単純で他愛のない遊びですが、意外にリアルでスピード感もあり、大勢で競争すると盛り上がります。老若男女を問わず、だれでも楽しめます。

1/32 や約 1/70 の HO スケール(トミカのサイズ)などは自宅で楽しむこともできますが、ここでご紹介する 1/24 スロットカーは専用サーキットに出向く必要があります。1/24 スロットカーの多くは全長 20cm、総重量 150g 程度。ボディは市販の1/24プラモデルを使いますから、改造も容易で、カラーリングやデカールに凝ることもできます。非常にきれいに作り上げて、走らせるのがもったいないようなクルマもありますし、前後にLEDを仕込んでライトが点灯するようにもできます。

しかし、スロットカーは飾り物ではありません。走ってナンボ。「闘うモデルカー」といった人がいます。

スケールについて

わたしが知っているのは主に1/24です。HOは昔持っていましたが、走らせるのが難しくて断念しましたし、1/32もすこし遊んでみたことがある程度。HOと1/32のシャーシ底面にマグネットを仕込んであって、コーナーで飛び出しにくいようにレールに張り付いて走ります。一方、1/24にはマグネットはありません。自重とリアタイヤでグリップします。

1/24は市販のプラモデルをボディにして走らせるのが主流で、スケール感は抜群です。市販車からGTカー、Cカー、NASCARからF1もあります。小型シャーシを使えばミニやFIAT500なども走らせることができます。マニアはレジンボディを自作します。

以下、わたしの経験の範囲内でのお勧めメニューです。

 HO 1/32 1/24
自宅で楽しみたい  
近くに専用コースがない  
ミニカーのようにコレクションしたい  
大勢でレースを楽しみたい  
カーモデルを作るのが好き    
セッティングやチューニングが好き    

Carreraというメーカーの1/32用コースであれば1/24のスロットカーを走らせることも可能だそうですが、6畳間にコースを組んだとしても狭くて十分に楽しめないかもしれません。

1/32のスロットカーは5千円前後で完成品を売っています。買ってくればすぐに走らせることができるので手軽ですし、飾っておく楽しみもあります。一方、1/32スロットカーの自作を試みましたがあまりうまくいきませんでした。作るのが好きならば1/24のほうがよいと思います。

サーキットについて

「1/24をやってみよう」と思ったら、次にやることはサーキットに出向くこと。(わたしが知っているお店はこちら

全国どこにでもあるわけではないのがつらいところ。お勧めは、東京なら「レーシングパラダイス世田谷」、愛知なら「ホットステージ」。ここなら初心者でもちゃんと対応してくれるはずです。「インターネットでSLOT DAYSを見て」といえば話が早いかもしれません。そこで話を聞いてレンタカーを借りて走らせてみましょう。他にお客さんがいれば、どんなクルマを持っているか覗いてみるといいでしょう。

PLAFITの販売元でもある世田谷は「走ってナンボ」が基本。ボディの作り込みは勧めていません。キット付属のガラスは重いからOHPフイルムを貼るという徹底ぶり。お客さんの数が多いこともありますが、レベルの高い人が多く、毎週土曜の夜のレースも盛況のようです。子供たちといっしょにファミリーで楽しんでいる人も多いです。内輪でプライベートに楽しみたければ2階のコースを借り切る手もあります。一方、名古屋は作り込み派が多いです。原則としてドライバー人形は必須です。わたしは工作好きであってもモデラーではないのでボディ製作に苦労しますが、名古屋はおおらかなので、多少のちがいは大目に見てもらえるので助かってます。(すこしずつレギュレーションに近づけるよう努めています)

サーキットはそれぞれムードと特徴がありますから、自分に合った場所と仲間を見つけてください。

コストについて

スロットカーのシャーシ、ボディ(プラモデル)、コントローラ、それにコースの走行料、あるいはレース参加費が必要になります。道具もあれこれ必要になりますが、すこしずつ揃えていけばいいでしょう。

スロットカーを走らせると、コースアウトしたり、他車と接触したり、ボディが割れてしまうことも珍しくありません。ボディはある意味で消耗品。複数の金属パーツから構成されている専用シャーシは非常によくできているのですが、PLAFIT EXCELというシャーシは1台で1万円前後かかります。シャーシも衝突すれば曲がったり歪んだりして部品交換が必要になったりますから、贅沢な遊びです。

そこでもっと安上がりに楽しむ方法として、TAMIYAのミニ四駆やミニFをスロットカーに改造して楽しむことも提案し、有志でレースを開催しています。ミニFならばボディも含めて1台2千円程度から走らせることができます。操縦性や安定性の点では、専用シャーシにかないませんが、スロットレーシングの面白さは十分楽しめます。最初はこれで十分だと思います。

最初のうちはお金がかかりますが、1年もすると派手にクルマを壊すことも減ってきますし、部品を長持ちさせるコツもわかって、それほどお金をかけなくても楽しめるようになってきます。また、仲間が増えてくるとボディやパーツなど、安くで分けてもらえたりもします。

モーターは基本的に3種類。「ラビット」「フォックス」「チータ」の順に速くなります。初心者は「ラビット」から始めましょう。

クルマ選びについて

ここでいうクルマ選びとはボディ選びです。定番はTAMIYAの1/24シリーズですが、外国製の1/25も使えます。他の人とちがうクルマを作りたい人たちには絶版プラモデルも人気があります。手軽なところでは、京商のミニッツレーサー用ボディを使う手もあります。

最初は自分の好きなクルマを走らせればいいのですが、運転が楽なクルマとむずかしいクルマがあります。

ミニのような小型車や、古い市販車などは車幅が狭く、すなわちトレッドも狭くなるので運転がむずかしいです。ひとつにはリアタイヤの幅が十分取れないため、グリップが不足し、コーナーでの踏ん張りが効きません。グリップを失った瞬間、車は飛んでいきます。(つまりコースアウト)

わたしが初めて作ったフェラーリ250LMも初心者にはむずかしいクルマでした。最初は楽なクルマを選んでください。

運転が楽なのはレーシングカーです。平べったく、横幅があるクルマ。いわゆるCカーが典型ですが、NSXは安定していますし、F40もいいです。ちょっとクラシックなものではフォードGT40もお勧めです。トレッドが狭いのと、ボディの背が高い(重心が高い)のは運転がむずかしいと思ったほうがいいです。

2台目、3台目になれば、レース参加を考えてボディを選んだほうが現実的かもしれません。

コントローラについて

いまの市販コントローラはピストル型です。片手でトリガーを引くと走り、離すとブレーキがかかります。

初心者は抵抗値15Ωのレンタルコントでよいのですが、慣れてきたら4Ωとか3Ωも試してみてください。クルマはおなじでも、コントローラによってまったく走りがちがいます。15Ωのコントローラよりも3Ωのほうがピックアップがよく速いです。ただ、反応が良すぎると運転しづらいこともあるので、トータルなセッティングが必要になります。

コントローラは非常な大事な道具です。

レースについて

スロットレーシングはやはりレースが基本。

レースに参加することで仲間も増えていきますし、周囲に認めてもらえるようにもなります。最初はコースアウトしてばかりで、スロットカーよりも自分のほうがたくさん走ることになるでしょうが、すこし慣れてきたらお店主催の初心者向けレースに参加してみるのもよい経験になると思います。

レースにはお店が主催するものと、有志が主催するものがあります。開催スケジュールや規約(レギュレーション)はお店で教えてもらうことができますので聞いてみてください。定期レースの多くは土曜の夜に開催されることが多いようです。

わたしも以前、世田谷で2回ほどレースに参加させてもらいましたが、参加者が多くて座る場所もないほど。人ごみが苦手なわたしはメゲてしまいました。その点、名古屋は静かでいいです。(参加者が少ないだけ?)

レースのレギュレーションだけ見ると、いろいろ書いてあって面倒ですが、初心者は大目に見てくれたりしますから相談してみましょう。最初はレギュレーションに抵抗があっても、そのうち「そういうものだ」と慣れてくると思います。

参加したいレースがなければ、自分で企画して参加者を募るという方法もありますが、ふつうは既存のレースに参加させてもらうのが楽です。

レースに勝つには腕前とセッティングが必要になります。セッティングのコツはコースによっても異なるので、実際に勝っている人に教えてもらってください。

スロットレーシングの魅力

  1. 作る楽しみ
  2. シュイ〜ンと気持ちよく走らせる楽しみ
  3. みんなでワイワイ走らせる楽しみ

この3つがわたしにとっての魅力です。

スロットレーシングには「こうしないといけない」という決まりがあるわけではありません。みなさんで、思いのままに楽しんでください。

この「SLOT DAYS」をごらんになったご意見やご感想などをメールしていただけると励みになりますので、よろしくお願いいたします。

FEBRUARY 2003