オリジナルデカール製作
1/24スロットレーシングは,市販のプラモデルを使えるのがメリットなのですが,まったくおなじボディをおなじコースで走らせることになったりもします.これは(わたしにとっては)デメリットです.自分のクルマを見失う恐れもありますが,なにより他人とおなじなのはイヤです.(笑)

そこで指定色とは異なる色で塗装したり,デカールの貼り方を変えたり,ゼッケンを変えたりしてきました.しかし,市販のデカールは意外に高いし,どうせなら自分だけのデカールがほしい.どこかの会社の名前を貼るくらいなら自分の名前を貼りたい.そうすれば自分が文字通りコンストラクターになれます.

というわけでオリジナルデカール製作に挑戦してみました.

■ 必要な道具

パソコンはWindowsだけでなくMacintoshでもOKです.わたしはVAIO505をWindows2000 Professionalで使っています.パソコン以外に次の3つの道具が必要です.

  1. 熱転写プリンタ ALPS MD-5500(メーカー直販のみ)

    幅が46cmありますが,横からみるとスマートです. デカール製作のためには不透明な白を印刷できるプリンタが必要で,それができるのは熱転写プリンタだけで,現在ではアルプス電気しか製造していないようです.ちなみにデカールシートにはインクジェットプリンタやレーザープリンタでは印刷できないそうです.

    サプライ品のインクカートリッジ「紙用・ブラック」と「紙用・シアン」「紙用・マゼンタ」「紙用・イエロー」は標準添付されていますが,別途「紙用特色ホワイト」を忘れずに注文してください.また,モノクロ文書の印刷には「エコブラック」というインクカートリッジを使えば経済的です.

  2. クリアデカール

    WAVE製(3枚入)とミスタークラフト製(2枚入)の2種類があります.ミスタークラフトでは品切れが続いているので,WAVEの直営店(0422-21-0733)から通販(カード決済で送料500円)で入手しました.いずれもB5サイズです.

  3. グンゼ・トップコート(光沢)

    印刷面を保護するためのクリアスプレーです.模型店,東急ハンズ等にあります.

■ データ作成

データ作成にはPaint Shop Pro7Jを使いました.もちろんAdobe PhotoshopでもOKです.レイヤー(階層)機能を持っているペイントツールを使いましょう.

B5版のクリアデカールに600dpiで印刷します.

B5サイズはJISで182mm×257mmと定めてありますから,600dpiでは約4299×6070ピクセルになります.(182mm / 25.4mm * 600 = 4299) ただし,実際の印刷には上下左右に余白が必要なのでこれより若干小さくなります.

B5全版サイズではデータ量が大きく,パソコンでの操作が重くなるので半分にして,4100x2700ピクセルの新規シートを用意しました.これがB5用紙を縦に置いたときの上半分のサイズです.これでも大きければ1/4にしてもいいでしょう.600dpiで印刷すればさすがにきれいです.

このシートに直接描いていくのではなく,個々に別のウィンドウで描いた画像をペーストしていくといいでしょう.先に用意したB5半分シートは印刷用テンプレートとして使ってください.

600dpiで印刷しますから,幅600ピクセルで描いた画像が実際には約2.5cm(1インチ)になります.1/2サイズであれば,B5の用紙を上下から2回プリンタに通せば1枚無駄なく印刷できます.

画像は「アンチエイリアス」をかけないでください.周囲をぼかすと印刷時に汚くなることがあります.72dpiの画面で見ているより,かなり縮小されて印刷されますからアンチエイリアスなどかけなくても十分きれいです.

デカールは裏に白を印刷しておかないと透けてしまいます.カラーインクは透明なのです.OHPシートに印刷してスクリーンに投影するのであればそれでいいのですが,透明なデカールではボディ色に沈んでしまいます.

「紙用特色ホワイト」は市販デカールの白に比べると薄いですが許容範囲だと思います.どうしても気になるのであれば二重に印刷すればよいでしょう.

■ 印刷手順

データは,下のレイヤーに「白で印刷する画像」を「黒で」描きます.上のレイヤーは「白以外の色」を「各々の色で」描きます.最初は戸惑いますが,じきに馴れます.

これが下のレイヤーです.印刷してみましょう.

「印刷」からプリンタの「プロパティ」を選んでください.

「特色印刷」をチェックして「紙用特色ホワイト」を指定します.

「手差し」と「ページ合成」を指定します.「ページ合成」にすると,一度印刷された用紙が再度ホームポジションに戻ります.

これで白の部分だけが印刷されました.つぎにその上から色を印刷しましょう.プリンタの「プロパティ」から「特色印刷」と「ページ合成」のチェックを外してください.

これでオリジナルデカールが印刷できます.

このままでは爪など固いもので印刷面を擦るとインクが剥げてしまうので,ざっとトップコートを吹き付けて乾かしておきましょう.乾いたら個々のデカールの余白をカッターナイフで切って貼るようにしてください.そのままでは全部つながっています.

はい,オリジナルスロットカーの出来上がり!

上の写真のALFA ROMEO GTVは仲間うちのワンメイクレース用車両です.当然,他の仲間にもデカールを配りました.(どう使うかは自由ですが)

印刷時間はデータによって異なり,プリンタが動きはじめるまでに1〜2分かかることがありますが,印刷そのものはそれほど遅いとは感じません.MD-5500は複数のインクカートリッジを自分で交換しながらせっせと印刷します.カタカタと動作音もしますが,けなげなプリンタです.

「いまさら熱転写か」とも思いますが,工作好きのわたしにはぴったりのプリンタです.

SEPTEMBER 2001