640KBの壁
Windowsが普及する前、ずっとMacintoshを愛用していたのですが、ある時、アメリカからAT互換機を個人輸入し、DOS/Vをインストールして使ったことがあります。しかし、DOSのもつ640KBの壁には泣かされました。

DOSが扱えるメモリ空間が640KBしかないため、うまく設定しないと大きなアプリケーションが動作しないのです。そのため、常駐プログラムが専有するメモリを1バイトでも減らそうと四苦八苦。「どうしてこんなことに苦労しなければならないのだろう」と苦々しい思いをした覚えがあります。

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今回、年末に四日市のラビットで行なわれる耐久レース用のCカーを作りました。

「原則としてキットに忠実に作ること」というレギュレーションに沿ってスロットカーを作るのは生まれて初めて。内装はもちろんドライバー人形を乗せて、ライトも全灯点灯するようにしました。まず最初に「モデルカーありき」で、それをスロットカーとして走らせて楽しむというのはこういうことだったのですね。「きれいに作るに越したことはないけれど、懲りすぎて重くなって遅くなったのでは意味がない」という価値観とは異なります。スロットレーシングの楽しみ方には幅があります。

「車重170g以上」というレギュレーションに従いつつ、重くなりすぎないように細かいところを削っているうちに「640KBの壁」を思い出したのです。それでも、クルマがきれいに出来上がるとうれしいもの。丁寧に作ればそれなりにかっこよくなるものですね。

しかし、手間暇かけて作ったボディが1回のレースで壊れてしまうこともあります。モデラーの人からみれば、スロットレーシングは野蛮な遊びかもしれません。本来飾っておくべきものを、高速で走らせて床に落とすのですから。

ミニFレースを主催していても感じることですが、レギュレーションというのはむずかしいです。

「なんでもいいです」ではレースが成立しないし、厳しすぎても敷居が高くなってしまいます。そのレースがターゲットとする人たちのレベルと、実際の参加者の様子なども考慮に入れながら柔軟に運用することでしょう。マンネリ化しないように時には変化も必要ですが、コロコロ変えると参加者が戸惑います。

ミニFレースは初心者向けですから、初めての人が入りやすいように配慮して、規定よりも趣旨を理解してもらうように努めています。参加者のみなさんにレースを気軽に楽しんでいただきたいので、いつも試行錯誤の連続です。

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昔のパソコンは、限られた性能の中で工夫しなければなりませんでしたが、ある意味でパズルを解くような面白みがありました。力技が通用しないから、独創的なアイディアが要求されたのです。

制約を逆手にとってやるくらいの気があれば、なんだって楽しめることでしょう。

追記:
1/32スロットカーの改造は928レーシングMID2 FERRARI F40もうまくいきませんでした。まともに走りません。1/32は完成品を走らせて遊んでいるのが平和かもしれません。