ラビット訪問記
以前から、一度伺おうと思っていた三重県四日市市にある1/24 スロットレーシング場「ラビット」さん(0593-51-0215)へお邪魔しました。

毎月第1・第3土曜にレースが開催され、第1土曜は22時頃から (1) ラビットレース(60〜’75年までの国産市販車)、(2) ラリー(’80年以降のWRCエントリーのワークスカー)、(3) グループCカー、以上3レースが行なわれるとのこと。今回、クルマの準備は間に合わないけれど「百聞は一見に如かず」。とにかくどんな感じなのか見せてもらおうと出かけました。

吹上東ICから名古屋高速に乗り、そのまま東名阪自動車道を走りました。深夜なので道路も空いていて30分ほどで四日市ICに到着。そこからDIYショップの「カーマ」と四日市市民病院を目印に10分ちょっとでラビットさんに到着。自宅からちょうど50km。住宅街の中なのでわかりにくいですが、市民病院側から回ると「たんぽぽ薬局」の角の道を入って200mほど先の左手に「ラビット」という緑色のネオンサインが掛かっています。敷地の奥の1階が熱帯魚屋さん、2階がプラモデルの倉庫兼スロットサーキットになっています。

市民病院の前から電話して、場所を教えてもらったKADさんが表で待っててくれました。螺旋階段を上って2階へ入ると「おぉ!」。忽然とサーキットが現れました。天井が高く、周囲の壁面はプラモデルの山。なんだかワクワクします。

「お邪魔しまーす」。調整走行しているメンバー4人の方と、ラビットの中川社長にご挨拶。「世田谷でやってらしたんですって?」と社長は気さくにお話ししてくださいます。PLAFIT製造元のシグマホビーさんとも古いお付き合いだそうです。桑名や四日市まで来ると名古屋弁ではなく関西弁なので(大阪生まれのわたしには)非常に懐かしいです。

レース開始前にちょっと走らせてもらおうとキャリングケースを持ってきて、コントローラのワニ口クリップをステレオジャックに変換する自作アダプタをつないで、コントローラボックスに挿すと「グリーンのランプが消えましたけど」「落ちましたね」「え?」。コントを抜き差しするときには、ちょっとだけトリガーを引いておくのだそうです。

持参したラビットモーター仕様のGT40をコースに置いてスタート。「バックするんですけど」「そうそう、よそのサーキットと逆なんです」。モーターのリード線をつなぎ換えてようやく前進するようになりました。ところが遅いのです。コース電源が通常12Vのところが、ここは10Vだとか。ラビットモーターがF200みたいで、フォックスがラビットみたいにゆっくり感じます。

「どうして10Vなんですか?」とお訊きしたところ「12Vではモーターがすぐにダメになってしまうし、スピードが出すぎるとクルマも壊れるじゃないですか。モーターをたくさん買ってもらうよりは、たくさん走ってタイヤを買ってもらうほうがいいですから」と中川社長。サーキット経営は「商売にはなりません」と割り切ってらっしゃるからこそ言えることかもしれませんが、モーターが長持ちするのは有難いです。KADさんは「わたしのラビットモーターは2年間換えていません」とのこと。当たりの良いモーターを引くと長く使えるようです。

ゆっくりなのはよいのですが、路面がつるつる滑ります。「タイヤにグリップ剤を塗ったほうがいいですよ」。コースに滑り止めのグルーを塗っていないので、タイヤにグリップ剤を塗るそうです。グリップ剤をリアタイヤに垂らし、コース上でタイヤを回して路面でまんべんなく塗りつけます。タイヤを指で触っても滑りにくくなるのがわかります。1回塗っても滑るようであれば、もう一度塗ります。ちゃんと塗っておかないとレースで苦戦します。

6レーン35mのコースはクネクネしていて一見むずかしそうに見えますが、電源電圧の関係でそれほどスピードが出ませんから思ったより初心者にも優しいです。なるほどね、と納得して片付けようとしたら、うかいさんが「レースに出てくださいね」「え、でもクルマが」「レンタカーがありますから」。

同種のクルマを2台以上持っている人のクルマをレンタカーとして貸していただけるというのです。わたしが知っている他のサーキットでは考えられないことです。そのコースを初めて走る、たいして上手でもない人間(わたしのことです)にクルマを貸せば確実に壊れますから、お互いに気まずくて貸し借りなどできません。

あとでわかったことですが、ここではクルマが床に落ちることは滅多にありませんし、コケたところに他車がフルスロットルで突っ込んだりしない限り、大きく壊れることもないようです。ですからモーターだけでなく、ボディも長持ちします。

ラビットレース用にお借りしたのは水色のセリカです。参加車両を並べて、アルミ製の駒のようなものを引くと、裏に数字が刻印してあり、それがコース番号です。それが2であれば、最初は2コースからスタートして3,4,5,6、そして1コースを走って予選終了。予選上位者から決勝のコースを選ぶことができるという仕組み。すべて1ヒート20周です。

この日の様子はKADさんの「Garage KAD」の「Rabbit Express」Vol.23と、うかいさんの「teamRABBIT」の Monthly race results 2002/09/14 に紹介されています。

結局3レースともレンタカーで参加させていただきました。和気あいあいとしたムードで楽しかったです。S字と下りのヘアピンがポイントでしょうか。1コースは6コースよりもむずかしいです。今回の3レースはモーターがラビット、フォックス、チータと順に速くなっていくこともあって楽しめました。さすがにチータは速いです。

全体にゆっくりなので他車との差を詰めることのできるポイントは限られてきます。ですから、第一に速いクルマを作ること。次に腕でしょうね、やっぱり。前のクルマになんとか追いついて、そのまま追い抜こうとした瞬間に弾かれてコースアウトということもあるので、相手を見て走るとか(笑)、駆け引きも必要になってくるみたいです。

6レーンあるコースを使って5人でレースをしていますからマーシャルはいません。コースアウトしたら自分でクルマを拾って、コントローラの前まで持って帰ってきて再スタートします。スタート時も、誰かがクルマを並べてレース開始のボタンを押してから、走って戻ってコントローラを握らねばなりません。続けざまにフライングがあると再スタートになるのでたいへん。2回続けてフライングすると失格です。

上手い人というのは速いだけでなくミスが少ないです。レースではこれが非常に重要で、限界付近で競り合ったときはミスをしたほうが負けます。上手い人はミスをしないから強いのです。そうはいってもレースではハプニングも起きるので、上手い人も気が抜けません。何が起こるかわからないから初心者でも楽しめるのです。速すぎず、クルマも長持ちするので、初心者にはラビットさんのコースはお勧めです。

かといって飛び込みでは入りにくいと思うので、メールをいただければご紹介します。

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テーブルの周囲にはCOXのシャーシやREVELLのスロットカーなどがさりげなく置いてあります。レースの合間に壁面のプラモデルを見ると絶版品もたくさんあって、見る人が見ればここは宝庫かもしれません。中川社長は、西は九州から、東はもてぎまでイベントがあるとトラックに商品を積み込んで出かけるそうです。

ラビットさんをあとにしたのが午前1時半。帰路、うかいさんに桑名ICまで先導していただき、帰宅したのが2時半。今回、みなさんにはたいへんお世話になりました。賞品(?)の20世紀梨も美味でした。ありがとうございます。今度伺うときは1台だけでも自分のクルマを用意していきたいと思います。

久しぶりにスロットカーによる「夜遊び」を堪能しました。